大人の発達障害、特にADHDにとっては、ケアレスミスは仕事をする上で常に付きまとう問題です。避けては通れない問題ですよね…
「口座番号間違ってたよ」
「ちゃんと確認してた?」
なんて言われることはしょっちゅうです…
ADHDは仕事上のケアレスミスはホントに辛いですよね。特に繰り返されると。
私の結論から言って、他の症状と比べて完璧に改善するのは難しいかもしれません。
ケアレスミスはADHDの特徴的な症状であり、改善することはできても完璧に直すことは難しいからです。
それでも、改善することができますので情報をシェアしていきます。
この記事でわかる事
- ケアレスミスを理解する事から始めることが大事
- ケアレスミスの事例
- ケアレスミスを完全になくすことはできないが減らすことができる改善策
そもそもケアレスミスとは
本題に入る前にちょっとだけ確認です。
ケアレス‐ミス 〘名〙 (「ケアレスミステーク」の略) 知識や能力の不足ではなく、不注意による誤り。 そそっかしい間違い。
どんなに頭がいい人でも、どんなに仕事に慣れた業務でも、不注意によってミスをしてしまうという事ですね。
例えば、「しんぶんし」を「しんぶんい」と打ち間違えても気づかず、そのままにしちゃうみたいな。言葉や意味は理解しているのに、自分の認識とは違う部分で間違えてしまうんですね。
ケアレスミスとは、まさにADHDの特徴そのものですよね。
ADHDにとってケアレスミスは日常的に起こってしまうものと認識
ケアレスミスは大人の発達障害の中でも主にADHD傾向がある人に強くでてきます。
- 書類に誤字脱字が目立つ
- 書類の内容をよく読まないで記入して失敗
- パソコンの入力を間違えてる
いわゆる事務作業に対してミスが多いみたいです。
実は、私は現職で事務職をやっており勤続10年以上ですが…
いまだに定期的にケアレスミスを起こしています。
- 数字の間違い
- 入力の間違い
似たような数字や文字が続く確認作業が苦手で、すぐに注意力がなくなり間違えます。
おかげで先輩方からは「またアラタ君か~」と嫌味を言われることもしょっちゅうです。
それでも、入職時に比べたら断然減っている方ですので、確実に進歩はしています。
「自分はミスをする」という事を認識しておけば、一度注意された事に関しては、次から気をつけられるようになります。
例えば
- 数字を見比べるとき
- 文字を長文打つ時
- 同じ作業を繰り返しするとき
注意された箇所については覚えますし、パターン化してる業務もあるとおもうので「この業務の時は、ここに気を付ける」みたいな感じで少しづつ、自分の間違えやすい部分を経験として覚えていきます。
仕事を自分ごとに落とし込む
仕事を自分ごとに落とし込むと、今以上に仕事に対し慎重になります。
例えば、インターネットで買い物をするときにクレジットカード番号を入力する際、間違えないように念入りに見直ししますよね?念入りになるのって自分の事だからという理由が大きいと思います。間違えたら商品買えませんしね。
会社の仕事の場合、業務の着地点が見えなかったりすると、心のどこかで「これぐらいで大丈夫だろう」というような自分ルールが発動したりしちゃうから、結果的にケアレスミスをおこしちゃうんですよね。
だから、すべての業務を自分ごとに落とし込むことで慎重さも増してケアレスミスも減っていくということです。
ケアレスミスが多い理由はADHDの特徴のひとつだから
ADHDの特徴である多動性、注意力の欠如…これらの影響でケアレスが頻繁に起こってしまいます。
普通の一般的な人もケアレスミスを起こしたりしますが、こうも頻繁に起こしません。
ADHDの特徴というよりも症状と言った方がいいかもしれませんね。
恐らく、当記事を読まれている方の中にも
- ミスを失くす本
- 仕事術の本
関係の本を読み漁った経験がある人もいるのではないでしょうか?
私は読み漁りました。
そして、いろんな方法を片っ端から試して、効果はありませんでした…
自分が怠けているつもりはありません。ミスをしないための改善努力も行ってきました。
多くのADHDの人が感じているように、「努力ではどうにもならない問題もある」という事です。
私の一言
ADHDの人って頑張り屋さんが多いですよね。ミスして、巻き返そうとしてさらに頑張って、またミスして…結局、うつ病とかの二次障害を起こしてしまう…
周りをよくみてみたらわかりますが、そんなに頑張っている人って少ないですよ?みんな忙しいフリが上手なだけ。ちょっとだけでも気を抜いていきましょう!!
コンサータやストラテラを使っても完璧には治らない
私の経験上の話で恐縮なのですが、ケアレスミスはストラテラやコンサータを飲んでも治療しても完全には改善されませんでした。
私は、コンサータからストラテラに治療を切り替えた経験もあるので違いも分かります。
もちろん、多少の効果はありましたが完璧にというと疑問が起こります。確かにケアレスミスの数は減ったものの、期待をしすぎて一般の人と比べるとなんとも悲しい結果になりそうです。
ですが、コンサータとストラテラを飲まなかった時期に比べたら、ケアレスミスの量は圧倒的に減りました。
なので、もし、まだコンサータをストラテラを飲んでいないという人がいるのであれば、試してみる価値はあると思います。
感覚的には、頭の中の雑念が消えて、目の前の事に集中できるようになる感じです。
ケアレスミスの事例
コンサータやストラテラによってケアレスミスは減りましたが、それでも多少は残っています。
では、いったいどんなケアレスミスをしてしまうのでしょうか?
心辺りある人もいるかもしれませんので一緒に見ていきましょう。
改善されない事例①:パソコン入力しても見直さない
ADHDにとって、パソコンの入力業務は割と得意な人も多いと思います。
なので、パソコンの入力業務自体はスムーズに業務を行うことができると思うのですが…
問題は、入力した後です。
ADHDの特徴的に、パソコン入力が終わったら
- 達成感
- 終わった事を見直す作業への苦痛
という気持ちから見直しをまともに行わないんですよね。
ADHDの特徴でもあり、一般的な表現を使えば、面倒くさがりな部分が発動してしまいます。
これも自分が意図的にやっているわけではなくて、自然と見直ししても気が付かないんですよね。
というか、終わったことに対して興味を失ったっと表現したほうがいいでしょうか。
改善されない事例②:自分では「完璧」と思っていても間違えている
基本的に、自分が行った仕事に関しては「完璧」と思っていませんか?
私は、思っていました。
だから、職場の先輩から「ここ間違ってたよ!」って言われても「えっ、なんで?」「誰か他の人のせいじゃないの?」みたいな感じで自分がケアレスミスしたことが全く信じられませんでした。
自分では、完璧だと思っているからこそ見直しとかを行わないし、間違っていたとしても他の誰かのせい、って思っちゃうんですよね。
改善されない事例③:似たような部分の間違いを見つけられない
ADHDの人が入力業務を行った場合、入力が終わった時点で作業が完了となってしまします。
だから見直しというあまり習慣がないんです。
あるとしても、空白の部分があるか、ないかを見つけることぐらいです。
例えば、見積もりなどで
- A社 989円
- B社 円
- C社 1,000円
「あっ、B社が未記入だ」と気づいたりはするものの…
A社が本当は998円だったことには気が付かない…みたいな感じです。
ぱっと目に映るわかりやすいものは、わかるけど、既に入力されている似たような数字や文字の中から間違いを見つけるのは、とても苦手なのではないでしょうか。
ただの怠け者なだけでは?
何度も見直しができないのは、ただ怠けているだけでは?と普通の人はいうかもしれませんね。
でも、あなたを含めてADHD当事者は本気で見直し作業を行ったり、ケアレスミスをしないように日々心掛けているのです。
他から見たら「あいつはやる気ない」「いつも適当だ」みたいな感じで思われてしまいガチですが、そんな事はありませんよね。
他者からは怠け者と思われようと、気にする必要はありません。
自分が怠け者でないことは自分が一番良く知っていますからね。
まとめ:ケアレスミスはADHDの特性なので無くすことできないが減らすことはできる
ケアレスミスが続くと周りからの冷ややかな目線が辛いですよね。
完璧になくすことはできなくても、少しづつ改善していくことは可能だと思っています。
また、ケアレスミスをしないというのは大事ですが、ケアレスミス以前に「私は失敗ばかりでダメなやつだ」と思い込む方がもっとダメです。
もっと気を抜いてケアレスミスをしても「まっ、死にはしないか」ぐらいのかるい気持ちでいることも、仕事をしていくうえで自分を守る大きな盾となるでしょう。
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