世間的に”良い親”とは、子供のありのままの特性を受け入れ、それを個性と考えて接してくれるものだと思います。
しかし、自分の子供が発達障害と診断、分かってからはどうしていいのか分からない親というのも大勢いるでしょう。
診断されたからといって、「分かりました、じゃあこれから頑張って行こうね!」なんて、すぐにポジティブに気持を切り替えれる親なんていないと思います。
多くの親は
「いや、自分の子供が発達障害なわけがない」
「出来ないのは甘えているだけだろう」
と、自分を説得するように言い聞かせているだけかもしれません。
では、そんな発達障害を受け入れることができない親とは、どう接すればいいのでしょうか?
個人的には、ムリに認めてもらおうとも思いませんし、絶縁までする必要もないと思っています。
本記事では、このツイートを元に
発達障害を親にカミングアウトして、受け入れてもらえなかったケースってあるんでしょうか??
私の場合、30も過ぎてるんで、別に今更感があって伝えてないけど…
する気もありませんが🤲でも、もし、若い人で、親から受け入れてもらえなかったどうしたらいいんでしょうね〜(´Д` )
— アラタ@発達障害(ADHD)×クラファン挑戦中 (@1arata0424) December 3, 2019
発達障害を受け入れられない親と、どう接していけば上手く行くか?ということをまとめています。
基本的に親は発達障害を受け入れないという事を前提にする
理想としては…
あなた「私、発達障害みたいなんだ」
親 「そうなの?発達障害っでどんなものなの?」
あなた「こういうとき○○で、とても生きづらいんだよ。自分では努力してるんだけど周りに認めてもらえず辛い…」
親 「そうか…それは今まで辛い思いをしていたんだね。それじゃあ、今からは家族みんなで協力するから、力を合わせて頑張って行こうね!」
みたいになったら涙がでるほど嬉しいですよね。
- あなたを理解してくれようとする
- 一緒に改善ん努力を手伝う、支援する意向
これだけあるだけでも、モチベーションが違います。
というか、家族が全面的に支援してくれれば、それだけ十分すぎる、というか他になにもいらないのでは?と思ってしまうようなシチュエーションです。
でも、もちろん、こんな夢物語はほんの一部の人たちだけでしょう。
実際はというと…
あなた「私、発達障害なんだ」
親 「はっ?なに言ってんの?よくわからんけど、それってただの甘えなんじゃないの?」
あなた「そうじゃなくて、特性上、とんなに頑張っても改善されないんだよ」
親 「だ・か・ら~、それは、あんたの頑張りが足りないだけ。他にも同じような人はたくさんいるよ?もう少し努力しなさい。」
現実はこんなもんです。
他にも
「甘ったれているだけ」
「自分だけだと思うな」
「変な薬だけはのむなよ」
子供の心配というよりは、どちらかというと”親の都合”から発言しているような内容が多いです。
なので、まず認識しておかなければいけないのは
親は子供の発達障害を受け入れてくれない
という考えが確率的に高い、という事である。と頭に入れておき、万が一、受け入れてくれてた場合は、数少ない理解してくれる人、家族と喜んでもいいでしょう。
なぜ親は発達障害を認めてくれないのか?
チェックリスト
一緒に病院に行って、医師からはっきりと発達障害だと告げられたにも関わらず信じていない
発達障害ということは知っているが、詳しく知らない
伝えたにも関わらず反応が薄い
なぜ、親は自分の子供が発達障害だと受け入れてくれないのでしょうか?
受け入れない理由①:親自身がASD・ADHDの可能性もある
人間、自分の理解の範囲を超えるものといのは認めたくない、という思いがあります。
心当たりがある人も多いかもしれません。
これが人間の深層心理であり、デフォルトな考え方なんです。
だから、一番最初は受け入れずらいというのは、人間の本質的な部分で拒絶してしまっているかもしれません。
しかし、それでも人間は理性&親としての愛情があるわけです。
自分の子供ですし、時間をかけて説得したり、同じ時間を過ごせば、きっと理解してくれるでしょう。
しかし、もし、ここであなたが発達障害だと説得しても、時間をかけても受け入れてくれない!というのであれば、もしかしたら、自分自身の親が発達障害(ASDまたはADHD)の可能性もあります。
事実、発達障害は遺伝確率があるともされています。
なので、必要以上に受け入れてくれない頑固さというのは、そういった要因があるからかもしれません。
ASDやADHDは強いこだわりや、自分の主張を押し付けたりしがちな困った特性を持っています。
当時者である人であれば、心当たりがある人も多いはず。
そう考えれば、どう説得しても親に理解してもらえない…というのは納得できます。
参考
私の父も診断こそされていないけど、ASDの傾向がつよい人です。
そして、母はADHD傾向。
こういった面が合わさって自分の困った特性ができあがったんだろうなと考えれば、あながち遺伝というのは間違いではないかもしれません。
受け入れない理由②:親(大人)は恥をかきたくないもの
私自信も30歳を過ぎて、世間的には大人であり、おっさんの領域に入ってきました。
そこで、感じ始めていることは
「恥をかきたくない」
「悪い事で目立ちたくない」
発達障害は悪い事ではありませんが、あくまで例えで。
というような思いを感じるようになりました。
初歩的なミスで怒られたくないし、後輩たちの前で怒られたくない、みたいな変なプライドがでてきてしまうんですよね。
こういったプライドが、年を重ねるごとにどんどん大きくなっていく。
今の世間的には、
発達障害=精神疾患、ヤバイやつ。社会不適合
といったよな、マイナスのイメージがはびこっています。もちろん、日本の悪しき風習です。
こういったイメージが親世代にはあるからこそ、周りに対して劣等感を感じてしまうし、”親である自分も変な目でみられたくない”という深層心理が働いているからなのかもしれません。
受け入れてもらえたときのメリット
基本的には、受けれれてもらえる確率は極めて低いけれど、逆に親に受け入れてもらえた場合、どんなメリットがあるのでしょうか?
受け入れてもらえるだけでも十分にうれしいことですが、具体的な例を挙げていきます。
メリット①:支援を受けられる
金銭的な面はもちろんですが
必要なモノ
居住スペースの提供(実家)
生活費の工面(食事や光熱水費)
就労支援への援助
全面的に支援を家族から受けられるのは、本当にありがたい事です。
大人の発達障害で、なかなか社会に馴染めず、仕事を転々としている人も多いです。
また、所得や安い給料なので生活が困難になっている人は大勢います。そういった環境の中で、親から金銭的な支援を受けられるのはマジでありがたいと思います。
依存とかではないですが、社会的な居場所がなくなった時に、”頼れる場所があるというのは安心=心の安定”につながってきます。
メリット②:協力者を得られるので心が安定
たった一人でもいい。
たった一人でも、自分の事(発達障害)を理解してくれる人がいるというだけで、心は異常なほど強く保てます。
世間的に、あまりよくないイメージの”障害”という言葉。
それゆえに、周りに相談することもできずに悩んでいる人も多いのです。
そういった環境の中で、一番身近な存在である親が受け入れた場合、家(家族)が心の支えになります。
残念な事に、多くの人が近くに良き理解者がおらず、誰にも相談、分かってもらえず苦しんでいるのが現状です。
注意ポイント
中には、TwitterなどSNSを通じて、ある程度は、こころのよりどころとしています。(私を含めですが)しかし、ネットと生身の人間ではやはり、心の通い方が違ってきます。できれば、身近に一人でも、理解者がいてくれたらうれしいですよね。
親と絶縁したときに広がる可能性
個人的にはオススメしたくはありませんが、逆に、もし受け入れてくれない親と絶縁した場合に、発生するメリットを書いて行きます。もちろん、よい面ばかりではなく、悪い面もでてきます。
理由①:自分自身が先に進めます
正直な感想として、自分が大人になってから親を説得するのって面倒です。
これは発達障害に限ったことではないと思うのですが、年取った人を説得するのは大変です。
そんな面倒、しかも、受け入れてくれるか分からない状態で、親を説得し続けて、なにかメリットはあるでしょうか?ないですよね?しいて言えば、金銭的援助ぐらい。
理解してもらえない。受け入れてもらえない状態が続くんであれば、親を無視して、自分で先に進んで成長していった方が、親にも迷惑かけないし、自分もスッキリとして行動しやすいでしょう。
親を無視して自分で先に進んだ方が合理的な時間の使い方といえるかもしれません。
理由②:毒親からの解放
発達障害に毒親持ちって多い気がします。
理由①でも伝えたように、親を離れる事で、親を気にせず、ましてや周りをきにせず自分のペースで生活ができます。
つまり、毒親から開放されるということです。
恐らく、これだけでも大きなメリットかもしれませんね。
車や電車で1時間ぐらいの距離なら普通に来れるし、追ってくる可能性もあるから、できるだけ離れたところがいいかもしれません。
良くも悪くも、親の影響は一緒に居る限り、受けてしまいますからね。
もちろん、金銭的な問題もありますから、長いスパンで考える必要はあります。貯金とかね。
理由③:自分の価値観が広がる
親の意見ばかり気にしていると、どうしても親の思考に洗脳されがちです。
しかし、親と絶縁することで、悪く言えば孤独ですが、よく言えば自由です。
だから、あなたが何を考え、なんの行動をするにしても自由なんです!
こんなに素晴らしいことはありません。
別に毒親でなかったとしても、一度、親元を離れてみるのもいいでしょう。
親元を離れるだけでも価値観、世界観が180度変わります。
自分が、いかに狭い世界で生きてきたか実感できます…
お金の問題
ここでも気になるのは、金銭的な事情ですが、低所得でも必要最低限の生活であれば生きていけると思います。しっかり、計画を立てて目標のために貯金しておきましょう。目的さえあれば、衝動性の強いADHDでも貯金できます!(私も経験者です)
実家暮らしの場合はどうしよう
正直なところ、実家暮らしで家を追い出されたら生活していけない…と思っている人もいるかもしれませんね。
確かに辛いと思います。
でも、親から自分の発達障害を否定されて、辛い、嫌な思いをしてまで実家にいる必要がありますか?
たしかに、実家暮らしは楽です。
しかし、発達障害を受け入れてくない親と一緒に過ごしていては違和感がありませんか?
ホントに、会話も無く、家を間借りしているだけ、というのなら問題ありませんが、一つ屋根の下に住んでいて、ご飯なども一緒にしなければいけないのに、そんなことはできません。
常に、発達障害という問題と向き合っていかなければいけません。
でも、親は受け入れてくれない…
そんなときは、ちょっと大変かもしれませんが、認めてくれないなら、実家を出るという選択肢もあるはずです。
繰り返しになってしまいますが、実家にいるあいだで、当分の間は節約してお金を貯める。このとき貯めるお金は、生活費の約3か月分ぐらい。
それぐらい貯めれば、仕事を辞めてもある程度は暮らしていきます。
親も子供が離れればきっと冷静な気持にもなるはずです。
あまり、一度に「自分は発達障害だから~!」と押し付けるよりは、多少距離を置きつつ、接していった方が、少しずつ、理解されていくのではないでしょうか。
説得方法はあるのか?
ツイートの中に面白い表現がありました。
おじゃまします。
自分は
「『目が悪い人』って、全員が白杖や盲導犬が必要な訳じゃない。メガネ掛けっぱなしなら大丈夫な人も、車の運転の時だけメガネが必要な人もいる。
昔は“白杖”が必要な位の場合だけ自閉症って呼んだけど、今は“メガネ”も含めてASDとして支援されてる」って説明しています。
— Miz_7M3QVC (@7M3QVC) December 4, 2019
私としては、凄くいい例えだな~
と思っているのですが、受け入れてくれなかった親に対して、このような上手な説明をしても、結局は響かないような気がします。
親(大人)の一度、凝り固まった考え方というのは、そう簡単にロックは外せないものです。
それだけ、社会からの目、世間的、今の環境を変えたくない、という思いが強いという事を表しているでしょう。
おそらく、あなたが一方的に
「自分はこういう障害で、こういう事に困っている」
「就労支援など、協力して欲しいことがある」
などと伝えても理解してもらうのは難しいでしょう。
逆に、あなたが論理的に一から説明しても、受け入れてもらうのは難しいかもしれません。
確かに、説明の仕方も大切かもしれませんが、説明する内容が
あなたは、過去の出来事を参考にして話をするので、同じ空間で生活していた親も、その時期をある程度は知っている。だから、親の価値観も入ってくるからです。
ポイント
説得術の本とか、説得の方法などネットで出ているかとは思いますが…
そのようにトントンと話が進めばいいですが、家族間での説得って結構難しいです。
「これが欲しいから買って」と一時的に説得する事とは違いますからね。
あと、なぜか家族と話すときって、すぐに頭に血が上っちゃいます。なんか自然とイライラしちゃうというか…
なにが言いたいかというと、説得はかなりハードルが高いってことです。
今後、親に受け入れてもらえる希望はあるかもしれない
ADHDとASDをもつアラフォー女です。
診断受けてから12年。長いこと手帳を持つことや薬を飲むこと、できないことについて否定的だった80代母。ここ数年あまり言わなくなり、昨日、発達障害だと改めて話したらすんなり受け入れました。適応についても理解しているようで驚いてます。
ありがとうNHK— どんぐりーな (@dongurisako) December 3, 2019
こういったツイートもありました。
最近では、発達障害を知ってもらうために、テレビでもよくクローズアップされています。
こういった、強力なメディアが発達障害を取り扱ってくれることで、認知度がどんどん広まって、世間の人たちの認識も変わってくるかもしれません。
ポイント
もともと、自分たちの親世代(50歳~)ってテレビ世代です。なにかあれば、テレビは信憑性が高いと思ってるし、すぐにテレビの影響を受けます。
例えば
「テレビでサバ缶が健康に良い。」放送されれば、次の日にはスーパーからサバ缶が消えている…
そんな感じです。
結局、今の親世代たちの価値観って一部のごく限られた範囲での情報でしか、自分たちの知らないものに対しては、心を開きにくい。
その点、今後テレビでどんどんプッシュアップされていけば、きっと世間への認知度も広がるし、親世代の人にも説明がしやすくなる時代がくるかもしれません。
成人しているのであれば親に固執する必要はない
親に障害の事を伝えるのは悪い事ではありません。
これからの長い人生で、親との関わりも多いと思うからです。
しかし、あなたが大人である以上、これからずっと親に依存して生きていくつもりですか?
そんなつもり、ないはずですよね。
しかも、あなたが結婚していたりする場合ならなおさらです。
だったら、親に伝えて受け入れてくれなかったら”受け入れてもらうのをあきらめる”という選択肢もアリなのではないでしょうか。
受け入れてもらえた時のメリットの恩恵は受けられないかもしれませんが、その恩恵を受ける必要だってないですからね。
チェックリスト
好きな場所で生きられる
好きなな仕事ができる
好きな生活ができる
好きな場所で生きられる
選ぶのはあなた自身です。
大人になった以上、親に固執する必要はありません。
「親にもわかって欲しい」という気持はよくわかりますが、「自分が先に進む」という事の方がよっぽど、これからの長い人生の中で幸せになるための要素になってくると思います。
なぜなら、カミングアウトすることで支援を受けれることを期待しますが、30過ぎて親から支援を受けるのもどうなんだろう?という考えからです。
※もちろん、本当に大変で支援が必要な人もいますが、あくまで現状、働けている人の場合です。
親に受け入れてもらってから先に進むでは遅い
結婚をするときみたいに、親の承諾を受けてから治療を受け始めるという決まりはありません。
※未成年の場合は親の許可が必要ですが…
なんというか、確かに親には育ててもらった恩もあるし、受け入れてもらのが一番ですが…
受け入れてもらう事に執着するよりは、その説得する時間をもっと自分の困った特性の改善に使うべきなのでは?と思います。
そう考えた時に、少しでも早く、改善のための勉強や行動をやっていくべきです。
親に受け入れてもらう、理解してもらう、ためにあなたの貴重な時間を使うのはもったいないと思いませんか?
ただでさえ、周りよりも大変な思いをしているので、努力するための貴重な時間を確保するためにも、ここで足を止めるわけにはいきません。
先に進むためにも、親に受け入れてもらうより、自分が改善のための行動を行い、どんどん先に進んでいきましょう!
まとめ:受け入れてもらうように頑張って無理ならすぐに引き下がる、絶縁まではしなくてよい
やはり、発達障害の場合、親や家族の支援というのは、あった方が理想的です。
ですが、その反面で、親は自分の発達障害を受け入れにくいという特性もあります。
受け入れてもらうのは、難しいです。
ですが…
簡単な流れ
自分が出来る限りの事はやってみる
親にわかってもらえるように努力してみる
それでも、ダメだったら親と距離を置いてみる、
という方法をとってみるのもいいでしょう。
最終的に自分の人生を決めるのは、あなた自身です。親ではありません。
とはいえ繰り返しですが、はやり親の支援があるのに越したことはありません。
なので、無理に絶縁までする必要はないと思っています。
というのも、発達障害を理解してもらわなくていいけど、親として関係性を続けたい気持があるなら、それは良い事だからです。
親として「発達障害を受け入れない」部分というのは、絶縁するに値する価値観だとは思います。
でも、親子の関係ってそれだけじゃないですよね。
一つの障害を受け入れてくれなかった…
こんな悲しい事はない、はい。じゃあさようなら~
なんて事になるなんておかしいです。
自分が大人になって、親と衝突して辛い思いや嫌な気持になったこともあると思います。
それでも、楽しかった思い出、大好きだった記憶も存在しませんか?ないなら話は別ですが…
人間、一度「こう」と決めてしまうと、考えを変えるのなかなか難しいです。
【押してダメならひいてみろ】
ずっと押し続けては、きっと効果が半減してしまいます。
そんな時には、少し時間をおいて、親もあなた人も落ち着いた状態になってから話をしてみるのもいいかもしれませんね。
親とは一生付き合っていかなければいけない問題です。
大変、面倒だとは思いますが、少しずつ、前に進めればいいなと思います。