「大人の発達障害は接客業はむいていないのかな」
「接客業をやっているけど失敗ばかりでうまくいかない」
大人の発達障害(ADHD/ASD)があると、接客業に対して、どうしても消極的な考え方になりがちです。
確かに接客業は発達障害と相性が悪い仕事かもしれません。
しかし、全ての発達障害の方に向いていないかというと、そいうわけではないと思ます。
たしかに、私も学生の頃にバイトで接客業をやっていましたが、うまくいっていた記憶はありません…
それでも、発達障害が接客業で働くことで、見えてくるものもあるかもしれないので、情報をシェアしていきたいと思います。
本記事でわかる事
- なぜ発達障害が接客に向いていないのか
- 接客で働く事は無理なのか
- 接客がやりたければやればいい理由
マニュアルに沿っていけば表面上は接客業も可能
もし、仕事先に「こういった場合はこう対処する」といったように、シチュエーション別の対処マニュアルが存在すれば、発達障害でも十分に接客業で働いて行けるのではないでしょうか。
細かい指示のあるマニュアルさえあれば、事例に応じて接客などの対応をしていけるからです。
マニュアルだけに従うだけなら、アルバイトにもできるじゃないか?
という事も考えられますが、そもそもマニュアル自体が社員にも、アルバイトにも業務が分かるように作られているはずなので、正社員とかバイトとかそういった事は関係ないと思います。
ADHDやASDに臨機応変な対応は難しいかも
なぜ、業務のマニュアルがあれば発達障害でも接客業が大丈夫なのかというと、全てのADHDやASD、自閉症の方に当てはまるわけではないと思うのですが、多くの場合は臨機応変な対応が苦手なケースが多いからです。
具体的な指示がないと業務が行えない事もある
発達障害の多くが、言葉の真の情報(メタ情報)を読み取る事が苦手です。
簡単に言えば、実際に、相手が発言した”表面上の言葉だけ”しか理解できずに、言葉の裏に隠された本当の意味を理解できないということです。
仕事の上でも、相手から具体的な指示が出されなければ、発達障害者には伝わりにくいということです。
例えば
上司から「店舗の掃除をしておいて」と指示されたとします。
すると、言われた方が考えるのが、「店舗のどこを、どのように掃除すればいいのだろうか」という事だと思います。
上司としては「汚れているところやゴミが溜まっているところをみつけて、状況に合わせて拭き掃除やモップ掛けを行って欲しい」という希望があるはずです。
こういった、漠然とした指示だけでは発達障害には伝わりにくいのです。
お客さんの指示は漠然としたもの
仕事の指示はもちろんですが、お客さんの接客に対しても柔軟な対応をとるのが難しくなってきます。
お客さんの多くは、”店員さんに言えばなんとかなる”という考えを持っている人が多いです。
なので、お客さんは事細かに要望を伝えてくれないこともあります。
お客さんの立場からしたら、「店員なんだから、気配りしてよね」みたいに思っている事なんてざらです。
実際に、自分が飲食店などに行ったら、そう感じている人も多いはず。
でも、この「気配りをする」というのが発達障害には難しい…
自分なりの「気を使う」ことはできても、相手の要望に沿った「気配りをする」という事ができないんですよね。
実際に私が学生時代にバイトで経験した接客業
接客業といっても、種類は様々です。
- 飲食店のホールスタッフ
- 販売スタッフ
- ホテルや旅館のフロントスタッフ
などなど
こういった接客業の中でも、実際に私が経験したことのある仕事をもとに、事例をいくつか紹介していきたいと思います。
コンビニの店員
コンビニのバイトが行う仕事はシンプルです。
- 商品の品出し
- レジ打ち
- 掃除
大きく分けて、これだけなんです。
これだけなんですが、この簡単な業務をまともに行う事が難しいのです。
理由としては”マルチタスク”に行う業務だからです。
単純に、一日中ずっと商品の品出しをしていればいい、といわけではありません。
混乱してしまうパターン
商品の品出し⇒お客さん来た⇒レジ打ち⇒また商品の品出しの続き⇒ゴミ箱がいっぱいだ⇒掃除⇒「なにしてたっけ?」⇒お客さん来たからレジ打ち⇒混乱してくる
ざっくりいえば、こんな感じでマルチタスクを行わなければいけないので、普通の人にとっては簡単かもしれないけど、マルチタスクが苦手なADHDやASDにはハードルが高いのです。
しかも、最近のコンビニのレジは電子マネーやら商品の荷物の預かりや発送まで行い多様化しすぎて覚えるのも一苦労です。
販売スタッフ(アパレル関係)
物を売るだけならいいんですけど、アパレルって基本的には
お客さんと話をする⇒購入してもらう
みたいな流れがありますよね。(もちろん、会話しなくても買う人もいるが、ここでは省く)
なので、お客さんとの会話って必須になります。
会話に必要なスキルって話術とか、そういったものだとは思うんですけど…
それ以上に、臨機応変な対応っていうのが重要なポイントになってきます。
せっかく、お客さんから話しかけても
「そうですね~」
だけしか言わない人って、話していてもつまらないですよね。するとお客さんもスーっと離れていく…
また、こっちが一方的に説明だけしても相手の心をつかむことはできない。
結果、中途半端な会話になちゃうことが多いんですよね。
お客さんとしても「自分の欲しいものはこういうもの」「こういう理由でこの商品が欲しい」という、話したい事(伝えたい事)があるんですけ、そういった要点をとらえる事が難しい。
そもそも、会話の意図を読み取るのが苦手なので、どうしても会話がぎこちなくなってしまう事が多くなってしまいます。
関連記事 話の内容が理解できないのはADHDが原因かもしれない
人と接するのが好きなら接客業も十分にありえる
基本的には、接客業って
- マルチタスク
- 気配り
とか、発達障害の特性とは真逆のものが必用とされています。
接客業として働く事で苦労する事の方が多いかもしれません。
それでも、
「人と接するのが好き」
「人に感謝されたい」
という事であれば、接客業は良い仕事かもしれませんよ。
なぜなら、接客業の場合、お客さんのお礼や感謝の気持がダイレクトで自分に返ってくるので、やりがいを感じやすいという大きなメリットがあるからです。
直接、人から感謝される仕事って、なかなかないですからね。かなり素敵なことです。
また、気配りや聞き上手でなくても、しっかりとした”誠意”があれば相手に伝わります。誠意が相手に伝われば、相手も動いてくれます。
もし、そういった強みが自分にはある!
ということであれば、接客業に挑戦してみるんもいいかもしれませんね。
もし、障害者手帳を持っているなら、dodaチャレンジ という転職サイトが手厚いサポートを行ってくれるので、一度、面談して話を聞いてもらうのも良いかもしれません。
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大手、優良企業多数なので安心できます
まとめ:興味があるなら接客業に挑戦してみる価値はある
基本的には、マルチタスクや臨機応変な対応が求められる仕事なので、発達障害には向いている仕事とは言えないかもしれません。
でも、それはあくまで一般的な特性上の話であり、個人によって状況はことなります。
ADHDの方で話が上手な人もいるでしょうし、ASDで人と接する事や人に感謝されることが好きという人もいるでしょう。
発達障害の特性上の苦労はあるかもしれませんが、できない仕事はありません。
辛い事も多いかもしれませんが、それは普通の人だって同じです。仕事で苦労しています。苦しむ種類が違うってだけ。
あとは、自分がどうしていきたいか?という事だけです。
他の仕事でも同じですが、仕事はある程度は長く続けていくことを考え選んでいきます。もちろんバイトだって。
長い目でみたときに、
- 自分に接客業は向いているのか?
- 接客業に何を求めているのか?
- その後のスキルアップはどうやってはかるのか?
といった事を考えていく必要もあると思います。
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