「自分の考えとはうらはらに仕事を休んでしまいがちだ。どうしたら改善できるだろうか…」
発達障害当事者はどうしても仕事を休みがちな傾向があります。
私自身(@1arata0424)は、そこまで頻繁ではありませんが、3か月に一回程度、いろいろ辛くて有給を使って仕事を休んでいます。
ただ、辛い人になると、もっと頻繁に休んでいる人も多いのではないでしょうか。
仕事を休んでしまうのは、体調不良や精神的な面もあるので、すぐに改善できるというわけではありませんが、「なぜ休んでしまうのか」という事を理解する事で、多少は改善していけるのではないでしょうか?私の経験を元に情報をシェアしていきたいと思います。
この記事でわかること
- 発達障害が会社を休みがちな理由
- 休まないための改善策
大人の発達障害の特性で仕事を休みがちである
大人の発達障害には、さまざまな特性があります。さまざまな特性が混ざり合い、特性上、仕事を休んでしまう事もあります。
まずは、発達障害の特性をみていきます。
ADHDの代表的な特性
ミスが多い
ADHDの不注意に付随する特性があります。ミスの種類は人によりますが「文章を読み飛ばしてしまう」、「文字入力の際に、打ち間違えがなくならない」、「何回チェックしてもミスに気付けない」などです。
気が散りやすい
不注意、衝動性に関する特性があります。人によっては「音だけが気になる」、「目の前を通られると集中できなくなる」、「人がいると集中できない」など個々でその集中できない要因が違っています。
作業を順序立てて行うことが苦手
ADHDの衝動性に関連する特性があります。自分の興味や、周囲の刺激に影響されて、目の前の作業をこなすと、それだけに集中してしまいます。
結果的に、様々な作業が中途半端になってしまい、成果を十分に得られず困ってしまうという特性です。
不用意な発言・行動をしてしまう
ADHDの衝動性に関連する特性があります。衝動的に発言・行動をしてしまい、周囲を傷つけたり、誤解を招いたりすることがあります。
ASDの代表的な特性
ASDはアスペルガー症候群や、診断基準によっては自閉症スペクトラムとも言われます。
指示の意図を読み取れない
言葉通りにしか対応できず、言葉の裏にある情報をよみとることができません。
上長や同僚からの指示の、意図・目的・背景をくみ取ることが出来ず、ミスや間違いにつながります。
見通しを持つことが苦手
作業・業務の先を想像することが出来ず、見通しを持つことが難しくなります。仕事に対しての想像することが苦手な特性があります。
このような、仕事上で困った特性があります。発達障害の特性が絡み合って、仕事に行くのが辛くなり仕事を休んでしまう事があります。
どんなときに休んでしまうのか
発達障害の特性から休みがちという事ですが、では、具体的にはどんな時に仕事を休んでしまうのでしょうか?
休むケースごとに例を挙げていきます。
休むケース①:体調が悪い
発達障害に限らず、体調不良の人は会社を休みます。これは、普通の事ですし、会社員の権利だと思います。なので、気にせずやすんでいいのでは?と個人的には思っています。
- 頭が痛い
- 風邪をひいた
- 転んで足が痛いので病院に行ってくる
どんどん休んでいいと思います。
ただ、発達障害は、こういったよくある体調不良とは別の体調不良が存在します。どういったものかというと例を挙げていきたいと思います。
1-1 天気が悪い日(低気圧)
天候に左右されて休むなんて嘘だろ?普通の人なら思うでしょう。
一般的には、雨や曇りの日などは「肩が重い」「ひざが痛む」といった事があると思いますが、普通の人にもある事が、発達障害にとっては、何十倍にも辛く感じるのです。
例えば、雨の日であれば
- 頭が全く回らない
- 常にイライラして誰かを怒鳴り散らしてしまう
- とても気分が落ち込んでしまう
辛さのレベルが100まであるとしたら、雨の日は常にレベル100と思えばわかりやすいかもしれません。
それぐらい、天候や環境の要因にとって体調が左右されるのです。
1-2 双極性障害のうつのとき
気分がいい時はいいけど、悪い時には「このまま消えてしまいたい」と思えるぐらい辛いときがあります。もしかしたら双極性障害を抱えている人もいるかもしれません。
これらは、双極性障害の特性なので仕方がありません。
どうしても辛い時は休んでもしょうがいないと思います。目には見えなくても、心の体調不良ですので、しっかりと安静にすることが大事です。
※診断は受けていないけど、気分の浮き沈みがある人はグレーかもしれませんね。
休むケース②:朝起きられない
発達障害がある人に多いのが、睡眠のコントロールです。普通の人も「寝坊しちゃった」という日もあるかもしれませんが、発達障害にとっては寝坊が日常茶飯事です。
夜は眠れない、朝は起きられない…「子供にもできるのに」と言われそうですが、ホントに自分の力だけでは改善することが難しいのです。
たくさんの目覚ましやアラームをかけても起きられない…
休むケース③:ストレスの溜め過ぎ
発達障害は常に“生きづらさ”を感じています。普通の人とは違う悩み、普通とは違う考えや行動…全てが自分に生きづらさを感じさせストレスをためさせます。
ほんのささいな事ですが、ストレスの積み重ねで、ある日突然、体がしびれて動かなくなっったり、寝込んでしまうという事もあります。
私のケース ある日、突然、体がしびれて動けなくなってしまいました。病院を受診したところ「ストレスによるもの」でした。 症状はたいしたことありませんでしたが、当人としては不安ですし、怖いと思います。
また、ストレスが原因で体にまで影響が及ぼすと考えたら、ストレスで休むのではなく、体調不良で休むといっても過言ではないかもしれません。
ミスばかりで人間関係の悪化
ストレスは体に悪影響ですが、ストレスの原因の一つとしてミスばかりして怒られる事での劣等感というのもあります。
- 毎日、怒られてばかり
- ミスばかりで自責の念(ミスを自分のせいだと責める)
- 周りからの冷たい目
ミスばかりしていると、どうしても劣等感やストレスを感じてしまいます。
特に、ミスして怒られてばかりで周囲の冷たい対応が辛いというのはADHDの人には多いのではないでしょうか。
私の経験談
私自身、ミスばかりで女上司に嫌われていたことがありました。ミスだけでなく、会話が苦手だったという理由もあるのですが…
- みんなにはお菓子を配るのに自分だけもらえない
- 自分だけ強い口調で命令される、罵られる
ミスが原因で、ストレスをためてしまう事象というのはたくさんあります。
ミスのストレスから「会社に行きたくない」という感情が芽生え、休んでしまいます。状況としては、いじめで学校に行きたくない。というのと同じなんですよね。
会社を休まない3つの方法
会社を休まない努力はするべきではありますが、本人でどうにかできるレベルではない内容の原因が多いと思います。
なので、無理に自分自身を変えて絶対に休まない!!という状況を作るのは難しいかもしれません。
それでも、出来ることはあると思います。自分に無理のない範囲でできそうな改善策をまとめてみました。
休まない方法①:とりあえず会社に行って30%ぐらいの力で頑張ってみる
やる気が出ないとき(うつ状態のとき)は、とりあえず出社してみるのをおすすめします。といっても、会社に行っても頭が回ら業務が手につかないことが多いので、出勤はするけど仕事はしないというスタイルです。
どういうことかというと、仕事を自分の持っている30%ぐらいの力で頑張るという事です。
自分からは…
- 上司や同僚との接触を避ける
- できるだけ電話にでない
- 先延ばしできる業務は次の日へ
などなど…電話にでないとかは現実的ではありませんが、もし、可能であれば、それぐらい仕事に対して消極的になっていいという事です。
とにかく、うつ状態のときは仕事で圧倒的にミスを起こしやすいです。なので、自分でうつ状態だと理解していれば、重要な仕事は先送りしてしまうのがベストです。
ポイント
現場では、毎日が締切だ。という事もあると思います。そういうときは、定時で帰って次の日にいつもより早く出勤して早めに業務にとりかかるという手段もあります。
休まない方法②:とにかく早く寝る
早く寝るのは基本です。寝る事で頭がスッキリします。
ただ、発達障害があると、“寝るのが苦手”という特性もありますので、どうしてものときは眠剤に頼ってもいいのではないかと思います。
注意
個人差はあると思いますが、発達障害には音楽やヨガ、ストレッチといった「睡眠導入」「質の良い済みんをとるために」とによいとされる事を試してもあまり効果を実感できないと思います。
ちなみに
平日、仕事をして帰ったら寝るだけでは、自分の時間が無くてイライラしてしまいます。
なので。せめて休日ぐらいは自分の好きなことをして自分の時間を作ることで、時間の無さからのストレスを軽減できます。
休まない方法③:会社の上司に相談
私も就職したての頃は、何度か連続して遅刻をした事があり、ギリギリの状況で働いていました。ホントに困っていて、泣いて上司に相談したこともあります。
私の場合は、上司に相談して、「お酒による夜更かしが原因なんじゃないか」という事が分かりました、以後は、お酒を飲んで夜更かししないようにした結果、遅刻することはなくなりました。
職場に慣れたなど、他の要因もありましたが、上司に相談する事で多少のプレッシャーから解放される感じはあると思います。
もしかしたら、誰かに相談することで解決できることもあると思います。
- 生活習慣がおかしい
- アルコールの飲みすぎ
- 仕事の量が多すぎる
自分だけでは気付けない事もありますからね。
私は、毎日のようにビールと焼酎を飲んでいましたが、20代で晩酌を毎日する人ってあまりいないみたい。実際、他の人は毎日ではなくてたまにとか、週末とか、そもそも20代の人は晩酌しないなど…人に聞いてみないと知らなかったこともありました。
ちょっと変な例でしたが、とにかく、人に相談してみる、話を聞いてみるという事だけでも、問題点に気が付けることもあるという事です。
休むときはどうしたらいいのか
どんなに努力しても、休んでしまう事あります。仕方のないことですので、休んで十分に休養をとるのが望ましいです。
ただ、社会人である以上は、休む前に必要最低限の事はやっておく必要はあります。
休んだ時①:事前の連絡だけはいれておく
どんなに体調が悪くても、会社にだけは休む連絡を入れておいた方がいいです。
連絡が無ければ、会社の上司たちも
- 事故に遭った
- 事件に巻き込まれた
- どこかで倒れている
普通は考えないような心配までしてしまいます。
中には「またあいつ休みかな」なんて言う上司もいるかもしれませんが、そんな上司は例外です。典型的なダメ上司です。気にする必要はありません。
休んだ時②:休んだ後のフォロー
仕事を休んだら、休んだ分、周りの上司や同僚があなたの仕事のフォローしている事もありますよね。
正直、面倒だと思う事もあるかもしれませんが、素直に「ありがとうございました」とお礼を言うのがベターだと思います。
なぜなら、もし、これが逆の立場だったらどうでしょう?あなたが、休んだ同僚の代わりに仕事をさせられたとすると、あなたは面倒ですし腹が立ちませんか?お互い様といってもきれいごとだけではありません。恩を感じたら謝罪とお礼を言っていきましょう。
謝罪やお礼を言ったからといって、マイナスにはなりません。むしろ、言わないことの方がデメリットが大きいです。「あいつ、昨日休んだのに一言もなしかよ」みたいな言われるの嫌ですからね。
休んだ時③:自分を責めない
一番重要なマインドかもしれません。一度、会社を休んでしまうと、周りに対して申し訳ない気持ちや劣等感を抱きがちです。
すると、どうしても「自分は仕事を休むようなダメなやつ」と思ってしまいがちです。
ですが、休んでしまうのは、発達障害の困った特性が原因であり、あなたの意思の問題ではない部分が大きいはず。なので、まずは自分を責めないという事を頭に置いておいた方がいいと思います。
基本的な考え
なんのために会社は有給を与えていると思いますか?もちろん、使うためです。有給は使うためのものです。ガンガン使っていきましょう。
まとめ:休むのにも理由があるので休んでいいと思う【フォローは必要】
発達障害が仕事を休むのには理由があります。
休む理由が、普通の人にはわからない事だとしても、発達障害にとって休む理由なんです。普通の人と休みを比べてはいけないと思います。
休みすぎとかは思わないで、仕事を休むのは権利だと思い堂々と休みましょう。
ただし、発達障害があるから休むとか怠惰の気持ちからではなくて、自分なりに努力した結果、どうしても無理だったという時に限りです。
常に自分の改善努力は必要です。
全く休まないという方法はないかもしれませんが、それでも少しづつは休まない日が増えてくるかもしれません。
繰り返しですが、無理はいけませんが、自分の努力は必要です。どんどん経験して感覚を覚えていきましょう。
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