私は自分が大人の発達障害だったことで、両親を憎んだり、責めるという気持ちは全くありません。
むしろ、大人になるまでちゃんと育ててくれてありがとうという感謝の気持ちです。
ただ、この気持ちも大人の発達障害と診断され、発達障害と向き合い治療を始めてから思えるようになったことです。
それまでは・・・
- なぜ自分は物事を覚えられないのか
- なぜ自分はコミュニケーション能力が低いのか
- なぜ自分はうまく段取りができないのか
といった事を考え、それは両親の育て方が悪かったからだ!!と思っていました。きっと、自分の両親は、間違った方法で私を育てたんだと。
また、発達障害は親から遺伝する可能性もあるので、そこらへんも完全に疑っていました。
発達障害が絶対に遺伝するというわけではありません
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実際に、当事者である私が、発達障害グレーゾーンの親に対して考えている事をまとめました。
自分の母親も大人の発達障害だと思った
自分が大人の発達障害だと思い、いろいろ調べているうちに、大人の発達障害の特徴というものが分かってきたのですが、それらが自分の母親にも該当している部分が多いのでは?と疑問に思うようになり、疑い始めました。
自分の母親の特徴としては、
- 相手の会話をうまく理解できない →会話が理解できないのは大人の発達障害(ADHD)が原因かもしれない
- すぐに居眠りしてしまう
- 急に意味のない行動、言動をする
日本のオカンあるある!!といって笑ってしまえばいいのですが、当時の私は全然笑えませんでした。それだけ精神的に追い詰められていましたから・・・
母親の気分が急に不安定になる
基本的に、いつもは陽気な母親ですが、気持の浮き沈みがだいぶ激しかったです。
全く同じ内容の会話でも、あるときは笑って話を聞いてくれていたのに、あるときは急に怒り出す・・・そんな感じでした。
人間なので、気分のアップダウンは多少あると思うのですが、それが著明にあらわれていました。
母の機嫌ばかりうかがっていた
上記で触れたように、急に怒り出すので、なぜ(なにに対して)怒るのか?という事が分からなくてビクビクしていたんですね。その結果、常に母親の機嫌を伺いながら発言をするようになっていたし、行動もするようになりました。
これは、今も続いていて、常に人がいつ怒り出すんじゃないだろうか・・・と不安に思う事があります。
だから、常にニコニコしているようにしているし、相手が不快に思わないように言葉遣いにも気を付けているつもりです。
※でも、言葉遣いには気を付けていてもやっぱり突発的な発言で不快に思わせてしまうときはあります。
自分の母親が発達障害だと疑ったエピソード
実際に母が発達障害ではと思ったエピソードとしては…
親戚や家族で大勢で集まって談笑しているときなどに、母がその場にいないときに笑いが起こった場合、その笑い声を聞いた母は必ず盛り上がっている場に割り込んで『なになに??』『なにがあったの?』と詳細に聞いてこようとします。
普通だったら、気になっても笑い話が落ち着いた頃に『さっきのあれはなんで笑っていたの?』的な感じで、周りの空気を見ながら発言をすると思うんですよね。
自分が知らない事が気に入らないという感覚に近いと思います。
はやり、みんなが知っていて自分が知らない状況というのは面白くないですもんね。私もそうですから。
ただ・・・
話に割り込んで、話を遮ってまで聞くことか?と当時は思っていました。
ここら辺が、衝動的な発言をしてしまったり、我慢が出来なかったりするのが、発達障害たるゆえんなのか?と推測していました。
母の影響:全て干渉して面倒をみてしまう
これは、私が大人になった今でもそうなのですが、母がいるときは必ず母が私に干渉をして物事を進めて行こうとします。
例えば、
- 子供の頃に大人から私に質問された事に対して、私が答えるより先に母が答えていた
- プレゼントなどもらって、嬉しかったので自分でお礼を言いたいのに母が先にありがとねーなどと言ってしまう
- 家から学校まで徒歩10分ぐらいなのに毎日、車で送り迎えしてくれた
あと、『あなたはお母さんがいないとダメねー』なんて事も言われたのを覚えています。
こういった事が積み重なって、私は発言しなくても、物事は進んでいくんだという、自分の事なのに”第三者”的な立ち位置で物事をみるようになってしまいました。
ここら辺の考えは、大人になってからも強く残っていたため、新社会人として働き始めたときには苦労をしました。
仕事で失敗しても『どうにかなるだろ』とか『誰かがやってくれるだろう』というような本当に無責任な気持ちでいました。
子育てで『自立した子に育てる』のが良いというのが有名な話ですが、これとは真逆の育ち方をしたな・・・と大人になってから初めて気づかされました。
今思えば、母は自分の子供が自分の支配下の中にいないとイヤだったんだと思います。
私が大人になってもそれは変わっていないので、親自身がいつまでたっても子離れできていないのです。
発達障害のすべての原因は親のせいではないよ
意外と、日本のオカンって大人の発達障害予備軍って多いのでは?と思っちゃいます(笑)
その人の個性と言ってしまえば、楽しいですが、当事者(子供)にとっては笑えないし、もっとしっかり育ててくれよ・・・と思っていました。
それでも、このブログや治療を通じ大人の発達障害と向き合うことで、親だけが発達障害の原因ではないということを理解しました。
大人になるまでのいままでだって、学校や会社などの外的要因の中で、自分で気づけていた事もあったかもしれないし、私自身の頑張りが足らなかった部分もあると思います。
発達障害うんぬんの前に、一人の人間としてもっと頑張れることはたくさんあったんだと痛感しています。
確かに、家庭環境によって気づける部分も多いし大事ですが、それも18歳ぐらいまでだと思います。親の元を離れて、自立した大人になって初めて気づけた事もあるはずです。
親だって大変な思いをしたのではないか
私は自分の両親と発達障害について話をしたことがないので、仮の話になりますが・・・
もし、自分の親も発達障害だったとしたら、とても大変な人生だったのではないでしょうか?
いまでこそ、この”大人の発達障害”という言葉が浸透してきて、世間に認めてもらえ、自立支援なる制度までできています。
しかし、そういった事が無かった自分たちの親世代は、周りから理解されることがなく苦しんだのではないでしょうか?
それに、いまのようにインターネットが普及しているわけでもないので、誰かに相談する事や調べたりすることもできなかったでしょう。
正体不明の症状(自分では気づいていなかったかもしれませんが・・・)と向き合っていくというのは大変だったのではないかなと思います。
そう考えたら、大変なのは自分だけではない。そう思えるようになるのではないかと思います。
最後に
普通の人が読んだらただの”子供のわがまま”みたいな感じにとらえられているかもしれません。
確かにそうかもしれませんが、大人の発達障害って案外そういった事にも原因があるんじゃないかなと思っています。
それでも、”大人”の発達障害として大人になるまで育ててくれた親です。
多少育て方に特徴があったとしても、ここまで育ててくれたことには感謝するべきなんじゃないかなと思います。
家庭環境はどうであれ、愛情を持って子育てをしてくれていたと思いますので、そこらへんは十分に理解してあげたいです。
とはいえ、私自身も自分に子供が生まれて初めてそう思えるようになったんですけどね!
ここらへんは自分に子供がいないと理解しづらいかしれませんが、単純に人のせいにしないということを念頭に持っておけば、きっとこの先も、この障害と向き合っていけるのではないかなと思います。
別に、大人の発達障害じゃなくてもこういった子育ての問題というのはあると思いますが、今回は大人の発達障害ということをメインで書いてみました。
家庭環境が大事だよ!という当たり前の事ですが、発達障害の事で悩んでいる方になにかの参考になればと思っています。