「仕事が長続きしない」
「いつもやる気はあるんだけど、なんで長続きしないんだろう」
私(@1arata0424)も新卒で就職してから1年間で2回の転職を経験しました。しかし、今では同じ職場で10年間働くことができています。
理由は、自分なりの仕事術を見つけて実行してきたからです。
大人の発達障害をもつ人にとって、仕事を長く続けるというのは、とても大変な事だと思います。実際に、発達障害の人で、およそ3割の人が1年間で離職してしまいます。
参考:障害者職業総合センター研究部門 障害者の就業状況等に関する調査研究(平成29年)
高い離職率があるぐらい、仕事を続けるというのは、発達障害にとっては大変なことです。
ですが、全く続けられないというわけでもないはずです。
では、どうすれば仕事を長く続けることができるでしょうか?
私の経験も踏まえて情報をシェアしていきたいと思います。
この記事でわかる事
- 発達障害者が仕事が長く続かない理由
- 長く続けるコツ
- 長く続けるための仕事術
仕事が続かないのには理由がある
大人の発達障害には、普通の人には理解してもらえない特徴があります。
理解してもらえないからこそ苦しい思いをしているし、仕事が長続きできない理由を言い訳できないんですよね。
一体どんな理由で仕事が続かないのでしょうか?
具体的に例を挙げていきたいと思います。
続かない理由①:ミスばかりする
毎日のようにミスばかりして怒られる…するとモチベーションも下がるので、自然と仕事を辞めたくなります。
当人としては、真面目に働いているつもりなんですが、仕事のミスもADHDの注意欠如だったり、衝動性によるミスだったり、うっかりミスなどが原因で起こってしまいます。
ホントに小さなミスなんですが、ミスの積み重ねで、会社での評価はどんどん下がっていきます。
当然、ミスばかりではやる気も上がりませんし、周りからの冷ややかな視線もありますので辛いですよね。結局は、辞めなければいけないような雰囲気になってきて自己退職をしていく人も多いようです。
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続かない理由②:自分の興味のない事にすぐ飽きる
会社での仕事は基本的に、指示された事通りに行わなければいけません。
ですが、発達障害がある人にとっては、人から命令された事で、自分にとって興味のない仕事というのは、やっていて心底辛く感じてしまいます。逆に、自分の興味のあるものであれば、何時間でも、どれだけ大変でも行うことができます。
毎日のように自分の興味のない、辛い仕事をやっていれば、当然ですが仕事は長続きしませんよね。
別の新しい仕事へ意識がいってしまいます。
普通の人からしたら、わがままと言われてしまいそうな部分かもしれませんが、発達障害にとって、興味の無い事をするというのはホントに苦痛を感じます。
また、仕事のフロー、作業効率、業務の意味合いなどを自分が納得していないと、やる気すら起きてこない事もあるので、仕事を辞めてしまう確率が高くなってきます。
続かない理由③:朝起きれない
体調面の事ですが、発達障害の多くは朝が弱いという特性があります。
自分では、「明日の朝は絶対に起きるぞ!」と意気込んでいても、自分の考えとは別で勝手に体が起きてこないんですよね。どんなに起きようと思っても、朝、体がついてこない…結局、会社に繰り返し遅刻してしまう。
遅刻する人に対して、日本の組織というのは冷たくあたるものです(個人的には、ホントに日本の悪しき風習だと思います)。
遅刻を繰り返すことで、周りからの視線がや態度が冷たくなり、立場が悪くなり辞めてしまうというパターンですね。
起きれないというのは、夜に自分の意思では寝ることができないという特徴もあって、朝起きれないという症状があるのかもしれません。
発達障害の睡眠について詳しくはこちらの記事から
続かない理由④:感覚の違い
例えばですが、発達障害は雨の日(低気圧)がメチャクチャ苦手です…
普通の人は、「雨かー、嫌だな~」ぐらいにしか感じませんが、
発達障害がある人の雨の日は
- 頭が痛くなる、頭痛
- 頭がボーとして脳が働かない
- いつも以上に不注意、多動性、衝動性がひどくなる
上司に「低気圧だったんでミスしました」なんて伝えても理解してもらえるわけありません。ただの冗談か言い訳にしか聞こえない事でしょう。
こういった普通の人とは違う体調不良があるので、周りとの理解の違いに悩まされて辞めてしまうというケースもあるでしょう。
4-1 音や光などの環境
ASDがある人にとっては、音や光に敏感な人が多いです。
なので、職場で大きな音がする、急に音がする、光がまぶしいなどなどの環境によって辛いと感じることもあるでしょう。
自分が居て「イヤだ」と思う場所にずっといるのは辛いですからね。どうしても辞めてしまう原因の一つになってしまいます。
続かない理由⑤:具体的に指示を出してくれる上司がいない
発達障害は、独自の想像力はありますが、仕事の指示に対しての想像力が無い事が多いです。
指示に対して、言われた事どおりにしか行動ができないのです。
普通の人であれば、指示された仕事に対して、自分なりの解釈をして目標に向かって試行錯誤しながら業務を実行していきますが、発達障害者は、言われた”言葉のまま”の行動しかできません。
例えば
上司から「この資料を会議室に持って行っておいて」と言われたとします。
自分では、会議室に持っていくだけだと判断して、会議室に資料を持っていき、資料をまとめたまま机に置いてしまうでしょう。
しかし、実は指示をだした上司としては「会議室に資料を持って行って、机にキレイに並べておいて欲しい」という希望も込めて指示を出しているかもしれないという事です。
具体的に「資料をキレイに並べる」という事まで、指示を出してくれていれば出来るようなことなのですが、多くの会社の場合、こういった細かい具体的な指示は出してくれないものです。
一般的には、自分で考えて補う部分の行動なんですね。
だけど、発達障害には自分で補うことができないので、指示を受けるときは具体的に出して欲しいという事なんです。
なので、具体的な指示を出してくれる職場であれば、働きやすいかもしれませんが、多くの会社では具体的な指示は出してくれませんので、働きにくくて会社を去るというパターンもあります。
続かない理由⑥:急な環境の変化に対応できない
発達障害は環境の変化にめっぽう弱いです。特に、ASD傾向のある人に多いです。
基本的には、決まって同じことをしていないとストレスを感じてしまう体質なんですね。
人間は、変化を嫌う生き物ですが、発達障害は変化を嫌う度合が普通の人より圧倒的に大きいんです。だから少しの変化でもダメージを受けやすい。
例えば
多くの会社では、年度ごとに部署移動が存在します。
部署移動では多くの環境の変化が存在します。場所、人間関係、業務内容…
全てがストレスになり、本来、十分にパフォーマンスを発揮していた人でも、部署が変わるだけで、極端に仕事がしにくくなるという状況にも繋がってくるわけです。
どうすれば仕事を長く続けることができるか
続けられない理由はたくさんありましたが、では、具体的にはどうすれば仕事を長く続けられるのでしょうか?
人によって様々な方法があると思いますが、自分にあった方法を続けていくしかないと思います。
次から仕事を長続きさせる方法についてまとめていきます。
仕事を長く続けるコツ①:自分なりの仕事術をみつけて実行していくしかない
大人の発達障害に単一にASDだけとか、ADHDだけとかいった症状だけではありません。多くの人は、ASD+ADHDであったり、ASD+LDだったりと、なんかかしらの症状が混在しているケースが多いです。
なので、ASDにはこういう仕事の続け方、ADHDにはこういうふうに仕事をしなさい。というのはピンポイントには説明しずらい部分があります。
発達障害である以上は、仕事をするうえで自分の特性を理解し「自分なりの仕事術」というのを自分なりに考えて作っていかなければいけません。
自分なりに考えるといっても、一から考えるとか、おおががりな事をするのではなくて、既存の情報…例えば、本やネットの情報で自分にも出来そうとか、自分に合っていそうと思う方法があれば、どんどんマネしていく。すると次第に自分なりの“型”ができてきますので、日常の業務にその”型”を落とし込んでいく事で、自然と仕事に対応できるようになってくるはずです。
もちろん、簡単にはできないし、うまくいかないとは思うので、経験の部分は必須になってきます。
仕事を長く続けるコツ②:障害者雇用枠で働くという選択肢
最近は、大きな企業に対して「障害者を雇用しなさい」みたいな働きかけがされています。
具体的には、企業は、一定の障害者を雇用することで、補助金みたいなのが国から支給されるので、企業にとってもメリットが大きいのです。
だから、最近は指定された障害者の雇用が足りていなくて、障害者雇用枠の求人が多かったりするんですね。どこも人手不足ですが、障害者雇用枠でも人手不足が続いているようです。
ただ、デメリットもあって、有名なのは給料が安いという事ですね。確かに、給料は低いので、一人で生活していくには不安が残ります。
なので、実家暮らしなのか?家族がいるのか?会社に安くで住める寮はあるのか?といった事を踏まえつつ、検討していくのがいいかもしれません。
仕事を長く続けるコツ③:自分が楽しいと思う仕事をする
一般的に、発達障害に向いているとされているのは、プログラマーとかデザインといった仕事です。そういった自分に向いていそうな仕事を見つけて、トライしてみるのもいいでしょう。自分の好きな事であれば、いくらでもできますからね。
とはいえ、そんなに甘くないのが社会です…
自分の好きな事をして生活できていたら苦労はしません。
また、自分の好きな事をするためには学校に行かなければいけなかったり、資格を取らなかったりしなければいけない事も多いですよね。特に研究職や技術系は、資格とか学校とか経験とかの条件が厳しいですからね。
では、どうするか?絶対に自分の好きな仕事に就けるわけではありませんが、多少は近づける方法があるはずです。
3-1 職業訓練校に行ってみる
ホントは、専門学校とかに行くというのがベストなのかもしれませんが、そんなお金使っていられません。なので、職業訓練であれば、無料若しくは安くで通う事ができるのでコスト的にもだいぶ有利なのではないでしょうか。
また、条件さえ一致すれば、毎月、給料みたいな形で補助金がでるケースもありますので、一度、ハローワークなどへ相談してみるのもありです。
3-2 副業から試してみる
最近は副業ブームですが、ここで重要なのは、なんのために副業をするかです。
今回の例でいけば、自分のやりたい仕事を見つけるために副業をしてみてもいいのではという事です。
仕事をしながら、同時に自分のやりたい仕事も行っていくみたな感じです。
例えば
ハンドメイドが好きで、いつか自分のお店やブランドを出したいと思っているのであれば、現在の仕事を続けながら、ハンドメイドを作ってネットやマルシェで売ってみる。
楽しいと思えば続けて、まとまったお金を稼げるようになれれば、本業を辞めてハンドメイド一本で挑戦してみる。逆に飽きたら次を探せばいいだけです。
経験値もたまるし、リスクもないので、やりたい事をみつけるなら一番現実的かもしれません。
3-3 思い切って起業
これはちょっとデリケートな部分ですが、どんな仕事も長く続かないのなら、いっそうのこと、自分で仕事を作ってしまうというのもありかもしれません。いわゆる、起業ってやつです。
もちろん、それなりのリスクもあるので、よく考える必要はあります。
ただ、最近では、『しょぼい起業で生きていく』えらいてんちょう著、があるようにお金をかけずに起業する方法もあります。
同じマインドで言えば、ドラえもんののび太が就職できなかったので、自分で会社を立ち上げたのと同じですねw
自分なりの仕事術とかみつけられないから困っている
必ず自分なりの仕事術が存在するはずです。今までの自分の行動を思い出して欲しい。
もし、忘れっぽいという特徴があるのならメモを活用するとか、遅刻してしてなら、夜更かししない(※夜寝れないのはADHDの特徴でもあるので、心療内科で眠剤をもらう事も視野に入れる)とか対策は多少はたてようがあります。
大事なのは、過去の自分を見つめ、自分がどんなところでミスしたり、人間関係で失敗したりしたのかというのを経験で覚えていく必要があります。もちろん、経験だけはわからない部分もあるので、本やネットで勉強するのもいいと思う。
最近はSNSも発達していますので、TwitterやFacebookなどを活用してい情報収集するものいいし、似たような悩みを持った人と交流するのもOKだと思います。人と交流を持つことでモチベーションのアップにもつながりますからね。
さらに世界には、これだけの人がいるんだという発見もあってワクワクしますよ。
まとめ:経験を積み重ねて自分の仕事術を作っていく
会社で仕事を続けるというのは、本当に大変な事です。
毎日、会社に通うだけでも大変なのに、緊張感の中でミスをしないように業務を進めて行く…。ほんとに大変です。
大変な思いも、一定の経験を積んでいけば、ある程度の自分の中でのマニュアルができてくると思います。
でも、そのマニュアルというのは自然にできるものではなくて、常に自分が「改善していかなければ」というマインドの中から生まれていくものです。
常に自分に対して、改善していく、成長していくという意識を傾けて仕事を続けていけば自分なりの仕事術というのは絶対に完成します。
大丈夫です。もっともっと経験していきましょう。
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